西方甲虫見聞録   by 子連れ狸 in Paris





あいあんさん,みなさん,こんにちは。 今日は諸般の事情により,本当に久しぶりの採集OFF日となりました。

先日BさんのHPを見ていたところ,ユーロミヤマ採集ラベルの解読のための掲示板で, Rさんが採集地の特定に成功されていました。それを狸は胸が躍るような気持ちで拝見していました。 大変貴重な情報です。本当にありがとうございましたm(_〜_)m。

でも,位置を確認したところ,これがまた遠いのです!ほとんどイタリア 国境でモナコのすぐ北というあたりです。とても宿泊を伴わなければ無理 です。今後旅行の計画を立てて行こうと思っています。 それはそうとして,先週のご報告をさせていただきます。


6月3日(日)晴れ

前回,今シーズンの北フランスのヨーロッパコルリ総括をしたばかりなの ですが,どうしてもじっとしていられない気持ちで,再び前回と同じ ボージュ山系を目指して出発してしまいました(^^;。

一週間前は平地で30℃,高山でも25℃という時期はずれな位の暑さを記録 したフランスですが,今日は一転して肌寒い日です。途中シャンパーニュ 地方を通りすぎるころに朝8時となり,太陽もずいぶん高くなってきたので すが,外気温は10℃からあがりません。

何となく不安が頭をよぎりました。
Raon l’Etapeを通過し,山道に入り始めたのですが,地面からもうもうと水蒸 気が昇っており,あたりはガスがかかったようになって来ました。

それだけ外気温が急に下がっているということなのでしょうが,やがて目的の 場所まで行き着かないうちに外気温は3℃!!!!(@@)
こうなると,お約束通りに空からは白いものが降ってきました。

「何なんだ?この天気は!」

と独り言で怒ってみても,相手が天候では勝てるわけがありません。今日は山岳地 での採集など全く不可能だということがわかったので,とりあえず下山します。

でも,とてもこのまま何もしないで帰ることなど,狸にはできません。そうか! 困った時のRaon l’Etapeという言葉はこの時のためにあったのかぁ!!
(そんな言葉ナイナイ!!)と独り言をつぶやきながら車を「いつもの場所」に向 けて走ります。

この場所に来ると何故かホッとします。何と言っても良いところは,狸一家以外に 誰も居ないという点です。今日は来春のための下見として,開けた場所に面してい るブナとコナラの木を一本一本チェックします。

かなり見落としがあるみたいで,良さそうな木がまだたくさんありました。でも 「もしかしたら成虫も・・・・」という淡い期待は,やはり期待のままで消え去りました。

次は小枝のチェックです。1時間程かけて3頭の幼虫を発見し,持ち帰りました。 改めてよくみると,幼虫達のお尻は二つにきれいに割れており 「やはり,ここではコルリが沢山いるんだなぁ」と確信しました。

しかしながら,今回で幼虫の割り出しはストップしておきます。この日の3頭を含め, 現在我が家には今6頭の幼虫がおり,これ以上増やしても面倒が見切れないと判断したからです。 決してこの場所からコルリが居なくなるのではないか等と心配したからではありません。

自然の力というものは,初心者の狸がいくら一生懸命採集をしたからと言って,到底 及ぶものではないと信じていますし,あれだけの鳥の声がする場所で,鳥達が捕食する 数の方がよほど膨大であるはずです。

そうかぁ!そうだよなぁ,鳥になりたいなぁ!!

こうして帰途についたのですが,採集時間が短かったために,まだ帰宅するには早い 時間です。そこで,パリを素通りしてミヤマの連敗記録を更新しに行き,・・・
やはり更新してしまいました((((^^;;。
現在の連敗記録は10となっています。

ところで,話は変わりますが,手許にフランスで購入した「森のなかの小動物」という ポケット図鑑があります。ようやく意を決して今回これを訳してみました。 たったこれだけのフランス語なのに,訳すのに1時間を要してしまいました (本当に良くこれで,フランスで生活出来てるよなぁ(^^;;)。

「LES PETITS ANIMAUX DES BOIS ET FORET」より

Platycerus caraboides

体長 10〜14mm.
体腔は薄い。♂は金属光沢を伴う青みがかった色で,みどりがかった色を持つ♀よりも小さい。 極めて普通に見られる種である。
4月から9月にかけて,とりわけ日中に飛び回る
成虫はコナラ属の木の新芽や若葉を餌とする。幼虫はコナラやブナの切り株の中で生活する。

下線部に関しては,よく日本での子供向け図鑑でもありがちな勘違いだと思うのですが, そう一蹴してしまう前に自分で検証してみようと思っています。

先日3回目の採集記の際に,狸の材集に関してあいあんさんが日本とヨーロッパのコルリの 生態の相違に関する示唆をしてくれたことも,大きな動機となっています。 どこまで出来るかわかりませんが,シーズンオフだと諦めてしまうよりも楽しいですよね! これからも情報収集および実地経験を重ねていきます。

なお,いつものことながら,写真は遅れてアップとなります(^^;。ご了承ください。 これについては,現在デジカメ購入計画を推進中です。購入した暁には,より迅速にお届け できるものと思っております。

いつも,中身の乏しい報告で申し訳ありません>あいあん管理人様

子連れ狸 in Paris



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